予防歯科について
予防歯科とは
体の健康は噛むことから。ずっと笑顔で健康にいるために
まずは、「歯の真実」を知ってください。
皆様、このようにお考えではないですか?
「年を取ると歯が抜けて、いつかはみんな大なり小なり入れ歯になるものだ。」
「むし歯や歯周病は、しっかり歯磨きしても避けられない。」
もし、このようなお考えをお持ちであれば改めましょう。入れ歯等に頼らないで、生涯ご自身の歯で生活することは可能ですし、むし歯や歯周病にならないための取り組みもございます。
費用・時間の節約
歯が痛い・詰め物が取れたなどトラブルが出てからしか歯医者に行かない方は、年に1回、もしくは数年に1回のみの通院ですみます。しかし、むし歯や歯周病が進行していると、実際には1回の通院では終わらず、場合によっては数年間も通院することになります。
目先で見ると、何かトラブルが起きた時のみ歯医者に行く方が費用がかからないように思えますが、長期的に見るとかなり損をすることになります。むし歯や歯周病にかかっての通院は回数も時間も多くかかりますが、定期的なメンテナンスは3〜6ヶ月に1回ですむので、時間も費用も節約出来ることになります。
残っている歯の本数が多いと、病気になりにくい
実はお口の健康と身体の健康には密接な関係があります。
例えば歯を失う一番の原因は「歯周病」と言われており、この歯周病は、糖尿病、心筋梗塞などの全身的な病気と相互に影響しあうとの報告があります。
また、最近の研究では「アルツハイマー」と「歯周病」との関係性の報告も出ています。歯周病菌がお口のちょっとした傷口から血管に入り込み、内毒素を体内に蓄積させます。この毒素が脳に入り込むとアミロイドβが生成されるのですが、このアミロイドβがアルツハイマーを進行させる要因となります。
このように、お口の健康が害されると身体の健康も害されることが明らかにされてきました。つまり、お口の健康を維持することで、身体の健康も維持できる可能性が高まるということです。
予防歯科の内容
PMTC
PMTCは『Professional Mechanical Tooth Cleaning』の略で、専用の清掃器具と研磨剤を使用した歯のクリーニングです。保険適応の通常のクリーニングをPMTCと呼ぶこともありますが、当院ではエアフローという特殊な機器や材料を使用する自費のクリーニング・メンテナンスのことを指しています。
エアフローは「バイオフィルム」と呼ばれる、歯の表面に付着している膜状の細菌による集合体(簡単に言うと歯の表面のネバネバ)を効率的に除去し、コーヒーやタバコなどによる着色を落としてくれます。これによりご自宅でのケアでは除去できない頑固な着色や歯と歯茎の間の汚れなど隅々まで除去します。その後、歯科専用の特殊な歯磨き粉で歯の表面を磨いて歯の表面をツルツルにして、歯に汚れをつきづらくします。
PMTCの流れ
- クリーニングで歯石と大まかな汚れを落とします。
- エアフローを用いてバイオフィルムの除去だけでなく、細かな着色や歯の隙間など隅々の汚れを除去します。
- 歯科専用の特殊な歯磨き粉を用いてエアフロー後の歯面をツルツルにして艶やかに仕上げます。
- フッ素塗布をします。バイオフィルムを完全に除去した後にフッ素塗布を行うことで、より効果的に歯質強化を行えます。
フッ素塗布
医院で歯に高濃度のフッ素を塗布します。フッ素を定期的に歯の表面に塗布する事で、むし歯になりにくい歯を育てていきます。十分な効果を得るためには、年に3~4回のフッ素塗布を行うことが理想です。
フッ素の3つの効果
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歯質を強化する
歯のエナメル質を硬くすることで、むし歯の原因菌が作り出す酸に強い歯を作っていきます。
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再石灰化作用を助ける
酸で溶けてしまったむし歯になりかけた部分をもとに戻す、唾液の再石灰化作用を助けます。
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むし歯原因菌の活動を抑える
むし歯の原因菌の活動を抑えて、歯を溶かす酸が作り出される量を抑制することができます。
エアフロー
当院では、エアフロークリーニングを導入しております。エアフローは、ジェット水流と微粒子パウダーを使って歯の表面を優しくクリーニングする方法です。
エアフローのメリット
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歯や歯茎に優しい
従来のスケーリングと比べて、歯や歯茎への負担が少なく、痛みを感じにくいのが特徴です。
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バイオフィルムの除去
歯みがきでは落とせないバイオフィルムや着色汚れを効果的に取り除きます。
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歯周ポケットの洗浄
歯周ポケット内の汚れもきれいに洗い流し、虫歯や歯周病の予防に役立ちます。
クリーニングの流れ
1お口の中のチェック
まず始めに、お口の中全体をチェックいたします。新たなむし歯の発見だけではなく、2次むし歯(治療したところが再度むし歯になること)になっていないかを確認します。
2歯周ポケットの測定
歯周病になっていないか、または進行していないかを確認するためにも歯周ポケットを測定します。歯周ポケットは、歯周病の進行に伴って深くなります。健康な歯周組織のポケットの深さは3ミリメートル以下であり、これを超えると歯周病の兆候となります。
3ブラッシング指導
ご自身がしっかり磨いているつもりでもお口の中には汚れが溜まっていることが多くあります。歯ブラシが当たっていなくて磨けていないところを患者様自身に確認していただき、歯ブラシの持ち方・当て方からフロスや歯間ブラシなどの補助道具の使い方まで歯科衛生士が丁寧に指導させていただきます。
4歯の清掃
患者様ご自身でしっかり磨いていただくことはとても重要なのですが、磨きづらいところや見えないところはどうしても汚れが溜まってしまいます。そういうところは歯科衛生士によって専用の器具を用いてしっかり除去します。
5フッ素塗布(必要に応じて)
歯をキレイにした後にフッ素の塗布を行います。これにより歯質強化をはかり、むし歯になりにくい歯にすることができます。